骨粗鬆症の症状ってどんなもの?専門医が解説

- 2020.10.23
- 骨粗鬆症
今回は骨粗鬆症の症状について解説していきます。
骨粗鬆症とは、骨量が減って骨密度が低下し、骨折しやすくなる病気です。
骨粗鬆症になっても、多くの方は痛みなどの症状がありません。骨密度はゆっくり低下してくるので、初めは自覚症状がないことがほとんどです。
しかし、次第にちょっとしたはずみで転倒し骨折したり、背中が丸くなるなどの症状が出て、気づいたころには骨粗鬆症がかなり進行していることも多く見られます。
骨折をすると、生活の質の低下をまねき、認知症、要介護となるリスクがあがります。健康寿命※を延ばすためにも骨折をしないように、症状が出る前の早いうちに骨粗鬆症や骨折予防に取り組む必要があります。
※健康寿命とは?
平均寿命から認知症や寝たきりなどの介護の状態を差し引いた、心身ともに自立して健康的な生活ができる期間のことです。健康寿命は、男性は72.14歳、女性は74.79歳、平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳で健康寿命と平均寿命には男性8.84歳、女性12.35歳と大きな差があります。健康寿命を延ばして平均寿命との差を縮めたいですね。
このような症状があったら、骨粗鬆症の可能性があります
- 重いものを持ったり、立ち上がるときに背中や腰が痛む
- 背中や腰が曲がってきた
- 身長が3㎝以上縮んだ
- 「ちょっとつまずいた」「くしゃみをした」「尻もちをついた」「転んで手をついた」などで骨折した
- 背中の強い痛みで度々寝込むことがある
以下の方も骨粗鬆症が疑われる場合があります
- 65歳以上のすべての女性
- 男性女性を問わず、年齢が若い頃から含めて、原因がよくわからないちょっとしたことで骨折したことがある人
- 出産後や授乳中に激しい背中の痛みを感じている人
- 骨粗鬆症の危険因子となる病気をもっている人(糖尿病、腎臓病、呼吸器疾患、慢性関節リウマチなど)
- 卵巣の手術をしたり、ホルモン治療を受けている人
- ステロイド薬など、骨粗鬆症に注意が必要といわれる薬を飲んでいる人
☆一つでも症状に心当たりがある人は、一度医療機関で骨密度の検査をうけることをおすすめします。
骨粗鬆症により起こりやすい骨折は、手首(橈骨遠位端)の骨折、肩(上腕)の骨折、背骨(椎体)の骨折、足の付け根(大腿骨頸部)の骨折です。
これらの部位の骨折を起こしたが、その後に治療を受けていない方も積極的に骨密度の測定と骨の健康についての診療を受けることをおすすめします。
骨粗鬆症による骨折(軽い衝撃での骨折)をしたことがある人、もしくは、実際に骨密度が低い場合は治療が必要となります。
明らかな症状がなくても、「自分はどうかな?」と骨の健康に不安をお持ちの方は、一度ご相談ください。