10/20は世界骨粗鬆症デー~当院では骨粗鬆症の診療に力を入れています~
- 2020.10.15
- 骨粗鬆症
毎年10月20日は世界骨粗鬆症デーです。
「骨粗鬆症」とは、骨の強度が低下して、骨折しやすくなる骨の病気です。つまずいて手をついた、転んだ、くしゃみをしたなどの軽い衝撃が加わるだけで様々な部位の骨折を起こしやすくなります。高齢になると骨折によって寝たきりや要介護になること、さらには寿命を縮める原因にもなります。
骨粗鬆症の原因として加齢や閉経によるものが多いですが、糖尿病や呼吸器疾患、腎臓病、慢性関節リウマチなどの慢性疾患、ステロイドなどによる薬剤が原因となるもの、ホルモンの病気などでも骨粗鬆症となることがあります。また、乳がんなどの悪性腫瘍の治療によっても骨密度が下がることがあり注意が必要です。
他には、妊娠・授乳に関連する骨粗鬆症、アルコール多飲や喫煙、栄養不足による場合もあります。治療法は原因となっている病気、骨折した部位、年齢、性別などによって考慮されます。
日本における骨粗鬆症患者さんの人数は推定1280万人といわれています。そのなかでも治療を受けている方は女性で約30%、男性では6%前後と少なく、治療を必要とする人が治療を受けていない状況です。
骨粗鬆症の二つの予防について
骨粗鬆症は予防が可能な病気です。一つ目の予防は骨粗鬆症にならないようにすること、二つ目の予防は骨粗鬆症の人が骨折をしないこと、一度骨折した人が次の骨折を起こさないことです。
骨粗鬆症にならないためには、まず現在のご自身の骨密度を知っておくことが大切です。日頃の食事や運動について考える良いきっかけにもなります。
大人の方はもちろんですが、お子さんの骨の成長にも目を向けてみましょう。とくに10代の成長期は身長がぐんとのび、骨の基礎が作られる大切な時期です。およそ20歳ごろで骨の量は最大となりますので、10代での食事や運動が一生の骨の状態を決めるといっても過言ではありません。
“バランスの取れた食事”と、“十分な睡眠”、“適度な運動”が基本となります。食事は3食を基本とし骨の材料となるたんぱく質、カルシウムやビタミンDなどのビタミン、ミネラルをバランスよくとりましょう。
栄養が不足したり、偏ったりすると骨の材料も不足するので、十分に健康な骨が作られなくなります。お子さんの将来の骨粗鬆症のリスクを軽減できるよう、大人が子供に伝えるべき大切なことです。
骨粗鬆症検診をうけましょう
骨粗鬆症検診は市町村単位でおこなわれており、名古屋市では40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70歳の女性に対し無料で骨密度の検査を受けることができます。男性や女性の対象外年齢のかたで骨粗鬆症のリスクのある方は保険診療で検査を受けることができます。
当院では全身型骨密度測定器を使用したDXA(デキサ)法を用い、腰椎(背骨)と大腿骨頸部(太ももの付け根の部分)の骨密度を測定します。骨粗鬆症検診を利用される場合は腰椎(背骨)の骨密度を測定します。
検査時間は5分程度で、その日のうちに結果はお伝えします。痛みはありません。
ご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
骨の健康をチェックしてみましょう!
セルフチェック
下記の項目に当てはまる方は
骨粗鬆症のリスクが高まります。
生活習慣の改善や、病院での検査が必要です
- 最近背が縮んだり、背中が曲がってきた
- 両親や兄弟(姉妹)に骨折した人がいる
- 体形はどちらかというとやせ型だ
- ささいなことで骨折した(腕、背骨、足の付け根など)
- 偏食ぎみである
- 牛乳や乳製品は苦手だ
- たばこを吸う
- アルコールをたくさん飲む
- 人間ドックや検診で骨密度が低いと言われた
- 次のような病気で病院にかかったことがある
甲状腺や副甲状腺の病気、病気、肝臓や腎臓の病気、乳がん、前立腺がん、胃を切除した、慢性関節リウマチなど
※これだけで骨粗鬆症の診断はできません。
老化によるものと決めつけず、骨の健康が気になったらかかりつけの先生に相談し、骨量の検査をうけましょう。
当クリニックでは、DXA(デキサ)法による全身型骨密度測定器により背骨(腰椎)と足の付け根の骨(大腿骨頸部)の骨密度の測定が可能です。
骨密度測定についてご不明な点、ご質問等はお気軽にお問い合わせください。