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生活習慣病

管理栄養士が教える!脂質異常症の食事で気を付けるべきポイント

脂質異常症の食事
2020.09.15
生活習慣病

1.適正体重を維持するための適切なエネルギー量の摂取

適正体重の維持

摂りすぎて余ってしまったエネルギーは、肝臓でのコレステロールやトリグリセリド(中性脂肪)に合成されて、血液中の脂質が高くなります。

適正エネルギー量をバランスのとれた食事で、3食規則正しく摂ることは、肥満を解消し、血中脂質を下げることが出来ます。適正体重が維持できるように、エネルギーの過剰摂取に注意しましょう。

適正体重を維持するためには、標準体重に照らし合わせた適正エネルギー量を摂取する必要があります。

標準体重と適正エネルギー量

肥満度

*BMI(Body Mass Index)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

BMI⇒18.5未満:低体重 18.5以上25未満:普通体重 25以上:肥満

標準体重

*標準体重 =身長(m)×身長(m)×22

1日の適正エネルギー量

エネルギー量(㎉)=標準体重(㎏)×25~30㎉

2.脂肪の質と量に注意

脂肪の質と量

脂質から得られるエネルギー量は全体の20~25%とし、とり過ぎに注意しましょう。

脂肪には多価不飽和脂肪酸(P)、一価不飽和脂肪酸(M)、飽和脂肪酸(S)の三種類があります。

脂肪酸名

含まれている食品

飽和脂肪酸

乳製品(バター・生クリーム・チーズなど)、肉などの動物性脂肪、ココナッツ油、ヤシ油、チョコレート、アイスクリームなど

不飽和脂肪酸

多価不飽和脂肪酸

オメガ6系

サラダ油、大豆油、コーン油、ごま油、紅花油、くるみ など

オメガ3系

シソの実油、えごま油、魚油(DHA/EPA) など

一価不飽和脂肪酸

オリーブ油、菜種油、マカダミアナッツ、ヘーゼルナッツ、アーモンドなど

飽和脂肪酸(S)を多く含む肉類(脂肪の多い肉)を控え、植物油や魚油(魚料理)などを積極的にバランスよく摂りましょう。

また、マーガリンやショートニングなどを使用した食品やスナック菓子などに使用されるトランス脂肪酸の過剰摂取にも注意しましょう。

3.コレステロールの多い食品控える

高コレステロールの食品

コレステロールを多く含む食品をなるべく控えるようにしましょう。

血液中のコレステロールは、「肝臓からつくられるもの」と「小腸で食事から吸収されるもの」があり、高脂肪食やコレステロールの多い食品にかたよっていると、小腸からの吸収が増えて、血液中のコレステロール値が上昇してしまいます。

コレステロールは意識しないと簡単に摂り過ぎてしまいます。卵類、乳製品、肉類やその内臓類(レバーやモツ)、魚卵やうなぎなどの食べ過ぎには気を付け、1回に食べる量と頻度に注意し、大豆製品などの植物性タンパク質へ変えることも意識しましょう。

(高LDLコレステロールを血症の方は、コレステロールの摂取を200㎎/日未満と飽和脂肪酸エネルギー比7%未満にする)

4.糖質の摂りすぎ注意

糖質のとりすぎ

糖質のとり過ぎはトリグリセリド(中性脂肪)の値をあげる原因になります。

砂糖やジュース、菓子類は控え、果物や主食は適量を食べるようにしましょう。

5.飲酒を控える

飲酒を控える

アルコールを飲みすぎることで、エネルギーが過多になり、トリグリセリド(中性脂肪)を増やす原因になるため制限が必要です。適量をたしなむようにし、おつまみは食物繊維が多く、動物性脂肪の少ない料理を上手に選びましょう。

アルコールの1日の適正量(純アルコール約20g)

ビール:500ml、日本酒:1合、焼酎(35%):1/2合、ワイン:グラス2杯、ウイスキー・ブランデー:ダブル1杯、缶酎ハイ:1.5缶

6.食物繊維をたっぷり摂取

食物繊維

食物繊維を多く摂ると体内のコレステロールを速やかに体外へ排出してくれる働きがあります。食物繊維は、魚介類や肉類などの動物性食品にはほとんど含まれず、植物性食品に多く含まれていますから、野菜、海藻、こんにゃく、豆類、きのこ類などを毎食欠かさず食べるように心がけましょう。

主食となる穀類のうち、1日1食を玄米ごはん・麦ごはん・胚芽米ごはんなどに置き換えると、効率的に食物繊維が摂取できます。

また、そば・ライ麦パン・しらたき・さつまいも・切り干し大根・かぼちゃ・ごぼう・たけのこ・ブロッコリー・モロヘイヤ・納豆・いんげん豆・おから・しいたけ・ひじきなどは、一食あたりの摂取量の中に食物繊維が2~3g含まれています。

これらの食材を毎日の食事の中にうまくとりいれていきましょう。

特に、水溶性食物繊維はLDLコレステロールの排出に効果があるといわれています。

★厚生労働省策定「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日あたりの「目標量」は、18~64歳で男性21g以上、女性18g以上となっています。(65歳以上男性20g以上、女性17g以上)

水溶性食物繊維を多く含む食品

不溶性食物繊維を多く含む食品

・β-グルカン……大麦、オーツ
・ペクチン……熟した果物
・アルギン酸……こんぶ、わかめ
・グルコマンナン……こんにゃく
など

・セルロース……穀類、野菜、豆類
・ヘミセルロース……穀類、豆類
・ペクチン……未熟な果物、野菜
・イヌリン……ごぼう、きくいも
など

※水溶性食物繊維 ⇒ 水に溶けやすく、水分をたくさん含んでゼリー状となり、腸の中の老廃物や有害物質などを吸着して便として体外に排出

※不溶性食物繊維 ⇒ 水に溶けにくく、水分を吸収して便のかさを増やし、腸を刺激して腸の動きを活発にし便通促進

7.抗酸化作用のある食品の積極的摂取

抗酸化作用のあるフルーツ

LDLコレステロールは活性酸素によって酸化されると、血管壁に蓄積して動脈硬化を招いてしまうといわれています。

これを防ぐには、LDLコレステロールを減らすとともに、活性酸素による酸化を防いでくれる抗酸化物質を多く摂取するように心がけましょう。

抗酸化物質には、ビタミン類やポリフェノール類に含まれていますので、毎食、色の濃い野菜を必ず1皿分、積極的に食べるように心がけましょう。

抗酸化ビタミン

ビタミンC

イチゴ、柿、キウイ、オレンジ、赤ピーマン、ブロッコリー、キャベツ、パセリ、ピーマン、じゃがいも など

ビタミンE

鮭、カボチャ、アーモンド、ピーナッツ、くるみ、たらこ、ごま、アボカド など

ビタミンA

ほうれん草、トマト、人参、モロヘイヤ 、人参、小松菜、春菊、ニラ など

カロテノイド

リコピン

トマト、スイカ など

アスタキサンチン

えび、かに、鮭、ます、きんめだい など

βカロテン

しそ、人参、かぼちゃ、モロヘイヤ など

ルテイン

ほうれん草、ブロッコリー、レタス など

ポリフェノール類

アントシアニン

ブルーベリー・なす・カシス・ブドウ など

イソフラボン・サポニン

大豆 など

セサミノール

ごま など

ルチン

そば など

カテキン

緑茶、紅茶 など

8.脂質異常症の症状別の食事のポイント

高LDLコレステロール血症

  • コレステロールの多い食品を減らしましょう。
  • 飽和脂肪酸をとり過ぎないようにしましょう。
  • トランス脂肪酸のとり過ぎに注意しましょう。
  • 食物繊維と植物ステロールを含む食品をとりましょう。
    ☆植物ステロール⇒全粒穀物(小麦胚芽、小麦ふすま、ライ麦パンなど)・植物油(こめ油、ごま油、コーン油、キャノーラ油、オリーブ油など)・ナッツ類・豆類
  • 大豆製品を積極的にとりましょう。

高トリグリセライド血症

  • 糖質を多く含む菓子類やジュースなどの清涼飲料はやめましょう。
  • 果物、穀類は適量を摂取しましょう。
  • アルコールは控えましょう。
  • 動物性脂肪から植物性脂肪へ、さらに魚料理(DHAやEPAが豊富な青背の魚)を食べる回数を増やしましょう。
  • 夕食の食べ過ぎや夜食はやめましょう。
  • 積極的に運動をしましょう。

低HDLコレステロール血症

  • トランス脂肪酸のとり過ぎに注意しましょう。
  • オメガ6(n-6)系脂肪酸のリノール酸に偏らないように注意しましょう。
    ☆リノール酸=大豆油、ごま油、綿実油,コーン油、サラダ油、グレープシードオイルなど
  • 魚料理(DHAやEPAが豊富な青背の魚)を積極的に食べましょう。

今村 智美  管理栄養士

あなたらしさを生かした健康づくりのご提案と、笑顔で取り組める継続的なサポートをご提供します。 食事療法にはあまり関心がないという方も一度、食事や栄養について一緒に考えましょう。

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