【実践編】糖尿病の食事で気を付けるべきポイント-メニューや調理方法について-

- 2020.11.30
- 糖尿病
糖尿病の方の食事では、食べるものだけではなく、食べ方や調理方法・レシピを工夫することが必要です。ここでは、糖尿病の方の食事について、食べ方やメニュー選び、調理方法など実践的な方法についてお伝えしていきます。
知れば簡単!食べ方のコツ
何から食べる?どうだべる?食べる順番で血糖値を上手にコントロール
糖尿病では血糖値を上手にコントロールすることが大切になります。食事食後の血糖値の急激な上昇を抑えるには、食事の最初にご飯や麺類、パンなどの糖質の多い『主食』ではなく、食物繊維の多い野菜や海藻、きのこなどの『小鉢・サラダ(副菜)』やたんぱく質源となる肉や魚、大豆・大豆製品や卵などの主菜となる『おかず(主菜)』から食べるようにしましょう。
これは、食物繊維が糖質の吸収をゆるやかにしてくれること、たんぱく質や脂質が消化管ホルモン「インクレチン」の分泌を促してインスリンの分泌を準備させることにより、食後血糖値の上昇がゆるやかになると言われています。
※若い方の場合、食物繊維の多い『小鉢・サラダ(副菜)』から先に食べる方が、糖質と共に脂質の吸収もゆるやかになるのでおすすめです。
※高齢者の場合、フレイルや低栄養の予防のため、野菜より先にたんぱく質や脂質(『おかず(主菜)』)を摂取した方が良い場合もあります。
食物繊維をたくさん摂取できる献立作り
食物繊維の効果
- 糖質や脂質(コレステロール)の吸収を緩やかにする
- 腸内環境を整える
- 咀嚼回数が多くなり、満腹感を持続させて空腹感を満たしてくれる
1日の食事の中で、食物繊維の多い食材を献立に取り入れて、毎食積極的に摂取していきましょう。
食物繊維の食事摂取基準 目標量(g/日)
男性 | 女性 | |
18~64歳 | 21以上 | 18以上 |
65歳以上 | 20以上 | 17以上 |
※日本人の食事摂取基準2020より抜粋
◎「糖尿病診療ガイドライン2016」では、糖尿病における目標量を20g/日以上と推進
※とくに水浴性食物繊維は血糖の上昇を抑える効果が高いと言われています。
水溶性食物繊維を多く含む食品 | 不溶性食物繊維を多く含む食品 |
水に溶けやすく、水分を含んでゼリー状になり、腸内の老廃物などを吸着し体外へ排泄 | 水に溶けにくく、水分を吸収して便のかさを増やし、腸を刺激して動きを活発にし便通促進 |
・β-グルカン……大麦、オーツ、きのこ類 | ・セルロース……穀類、野菜、豆類 |
・ペクチン……熟した果物(リンゴや柑橘類他) | ・ヘミセルロース……穀類(玄米)、豆類(大豆) |
・アルギン酸……海藻類(こんぶ、わかめ他) | ・ペクチン……未熟な果物、野菜 |
・グルコマンナン……こんにゃく粉 | ・イヌリン……ごぼう、きくいも |
など | など |
しっかりよく噛み、ゆっくり食べて、腹八分目に
しっかりよく噛みゆっくり食べる事で血糖の急激な上昇を予防してくれると同時に、満腹感が増して食べ過ぎを防ぐ効果があります。
できれば、1回の食事に最低でも15分くらいの時間をかけて食べる事を心がけるようにしましょう。それよりも時間が短かったり、早食いをしたりすると満腹を感じる前に食べすぎてしまうことがあります。
ゆっくりよく噛んで食べるには、歯ごたえのあるものや食物繊維の多いもの、食べることに手間がかかる骨付きや殻付きなどの食材を日頃の献立に積極的に取り入れると効果的です。
また、一口30回噛むことを目安にしたり、一口食べるごとに箸を置いて口の中が空になってから次の料理を食べるなど、噛むことに集中することで早食いや食べ過ぎの改善が期待できます。
テレビをみながら、仕事をしながらなどのながら食いはやめて、食事ときちんと向き合い、五感をふるにつかって食事をじっくり味わい、人との会話を楽しみながら食べたりすることもコツです。
食事は抜かない、まとめ食い・ドカ食いしない
1日3食決まった時間に食事を摂取することはとても大切です。食事の回数を減らすと、その後の食事でまとめ食い・ドカ食いの傾向になり、血糖値が上がりやすくなるので注意しましょう。規則正しい3回食は、血糖のコントロールが良く、身体への負担が少なくなり、身体のリズムが整う優しい食べ方となります。
分かっていますか?自分の適量
実際に自分が1日にどれくらいの量の食事を食べていて、どれくらいのエネルギー量(カロリー)を摂取しているのかを理解しておくことも大切なことです。
1日の中で食べた時間や食事の内容と量を記録すると同時に、1日1~2回決まった時間に体重を測定し記録をつける習慣をつけると、その内容から自分の傾向がよみとれ、食事のコントロールがしやすくなります。
人は夜太る?夜遅く、寝る前には食べない
夜の遅い時間に食事をするということは、昼食を摂取してから時間が空きすぎていると考えられ、余計に空腹感を感じドカ食いをしてしまう危険性があります。それと同時に、その時に選ぶ食品やメニューは炭水化物(糖質)や脂質がメインのものを選びがちです。さらに食べた後は動かずに寝るだけのことが多く、エネルギーとして消費されることなく、脂肪として体に蓄積されやすくなります。
しかも、夜遅くに食べると、翌朝にお腹が空かないので朝食を抜く傾向があり、生活のリズムが乱れやすく、食のリズムの乱れにもつながってきます。
夕食が遅くなる場合には、”分食”という方法もあります。”分食”とは食事を分割して食べるということで、食事までの間隔が短くなり、帰宅が遅い時間の食べ過ぎを防ぐことができます。どうしても分食ができない場合は、消化の良い低脂肪のたんぱく質や野菜を中心とした食事やメニューを選ぶようにしましょう。
可能な限り、寝る2~3時間前までに済ませることを心がけましょう。
分食のやり方
①最初の食事は、主食となるおにぎりやサンドイッチなどの糖質メインで小腹を満たす
②次の食事は、低脂肪の良質なたんぱく質と野菜を中心にした食事を食べる
※脂質量の多い食事は消化に負担がかかるため、油を使う場合は植物性のものを。
食べてはいけない?どう食べる?間食のつきあい方
間食は、1日の必要エネルギー量の範囲内で、食事の一部として1日に食べても良い量や回数を考えて摂取しましょう。
最も影響が少ないのは朝食または昼食後のデザートといわれており、夕食後のデザートは夜間の血糖値をあげる原因となるため、おすすめはできません。
食べ方としては、食べるときに砂糖なしの温かいお茶やコーヒー、紅茶、ハーブティーなどを飲みながら、1日に食べても良い量を器にきちんと取り分けて、ゆっくり味わって食べましょう。
血糖値を急上昇させる砂糖が多いお菓子や脂質が多いスナック菓子類などは避けて、乳製品や果物、無塩の素焼きナッツなどを適量とることをおすすめします。また、おからをパウダー状に加工したお菓子などは、食物繊維が豊富で満腹が得られます。果物にはビタミンや食物繊維があり、砂糖(ショ糖)に比べて血糖値を上げにくい”果糖(フルクトース)”が含まれています。もちろん、食べすぎは禁物ですから1日80㎉程度を目安に食べるようにし、なるべく食物繊維が多い果物(りんご、キウイフルーツ、バナナなど)を選びましょう。
ただし、果物をジュースにして摂取するのはおすすめできません。噛まずに簡単にゴクゴクと一気に飲むことができるため、血糖値が急上昇する可能性があります。
これは、ジュースなどの清涼飲料水も同じことで、さらにこれらのジュースには糖分が多く含まれており、糖質のとり過ぎにつながります。スポーツドリンクも注意が必要です。
何を選ぶ?何を食べる?~外食メニューの選び方~
一般的に外食は糖質や脂質が多く、味付けも濃いめで野菜が少なくなることが多いため、エネルギー量(カロリー)のとり過ぎにつながり、栄養バランスの偏りがあると考えられます。
たとえば、ピザ一枚だと3,000KCAL(キロカロリー)超、ハンバーガーセットだと1,100KCAL、コンビニ弁当とカップラーメンのセットで1,000KCALをこえるなど、カロリーを多く摂取するわりには野菜が少なく、栄養バランスが崩れてしまいます。
メニューの選び方には、食事の基本である主食・主菜・副菜をバランス良く食べられるように考えます。
メニューの選び方ポイント
①洋食や中華よりも和食や和風料理の頻度を多くする
- 洋食や中華は高カロリー・高脂肪・高塩分のメニューが多いため、選ぶ頻度を少なめに
②食べ放題やバイキング形式はなるべく避ける
- 栄養バランスのとり方と適量がきちんと理解できて、正しく実践できそうならチャレンジしてもOK
③メニューの栄養成分表示を見る癖をつける
- 自分にみあうエネルギー量(カロリー)をチェック
- 同じエネルギー量であれば、食材を多く、食べ応えがありボリュームのあるメニューをチョイス
④一品料理よりも定食メニューを
- 定食メニューの方が品数が多く栄養バランスがとれやすい
- 一品料理なら、不足しがちな野菜料理を必ず追加することを忘れずに
⑤量を選べるメニューでは「小」サイズを
- 普通サイズであっても量が多いことが多いので注意(1食当たりの量を確認)
⑥ヘルシー(健康的)なものを選ぶ
- ヘルシーな調理方法、ヘルシーな食材、野菜たっぷりのメニューを積極的にチョイス
⑦残す勇気をもとう
- “もったいない”、”残すのはよくない”というよりは、自分が必要としている適量にとどめ、残す勇気も大切です
何を選ぶ?どう食べる?~コンビニや市販の総菜弁当のテイクアウトの選び方~
健康的な食事の基本は、主食・主菜・副菜をバランスよく食べることであり、それはコンビニ食でも市販の総菜であっても同じことです。
メニューの選び方によっては、炭水化物や脂質の割合が多くカロリーオーバーになってしまったり、たんぱく質や野菜が不足して血糖値に影響を与えてしまったりと、どのようなメニューを選び、どのように食べるかによって、健康が大幅に左右されます。
正しく理解し、自分に合ったメニューを選択することで、十分に栄養バランスの整った食事が可能となります。また、今はメニューごとに栄養成分表示のラベルが添付されていることもありますから、栄養内容の確認をすることも大切なポイントです。
メニューの選び方・組み合わせポイント
ポイント1:炭水化物単品メニュー、炭水化物の重ね食べはしない
【NGメニュー】
《麺類のみ》《麺類とおにぎり》《おにぎりとパン》《サンドイッチと菓子パン》など
<問題点>
- 主食のみの組合せで炭水化物過多
- 主菜となるたんぱく質食品と副菜の野菜料理が不足
- 栄養がアンバランス
【OKメニュー】
◎《おにぎり+たんぱく質食品(冷奴、ゆで卵、サラダチキンなど)+野菜や海藻のメニュー(サラダ・おひたし・煮物など)+汁物》
<解決点>
- 主食のおにぎりは自分にみあった適量を
- 主菜のたんぱく質食品はシンプルな豆腐やサラダチキン、ゆで卵などをチョイス
- 揚げ物は夕食メニューとの兼ね合いを考えて調整し、食べすぎに注意
- 副菜はたっぷりと野菜系と海藻系のメニューをチョイスして食物繊維を摂取
- サラダのドレッシングや付属のソース類は全部かけずに残すことで塩分・糖分カット
- 温かい味噌汁やスープでゆっくり食べる
◎《麺類》
<解決点>
- 野菜たっぷりの具沢山メニューを選ぶ
- 具に揚げ物やあんかけがあるメニューはカロリーオーバー、塩分過多になりがちなので食べる頻度を減らす
- 塩分を控えるために、麺の汁は残すようにする
- 具が少なめの麺類の場合は、野菜メニューとたんぱく質食品をプラスする
※プラスするたんぱく質食品として、チーズや低糖・無糖ヨーグルトなどもおすすめ
ポイント2:菓子パンは主食ではなく嗜好品と考える
【NGメニュー】
《菓子パンとフルーツジュース》
<問題点>
- 糖質の摂取量の過多
- 果物100%のジュースや野菜ジュースにフルーツがミックスされているジュースは血糖値が急上昇しやすくなるので注意
【OKメニュー】
《ミックスサンドイッチ+たんぱく質食品(豆乳やサラダチキンなど)+無糖ヨーグルト(又は牛乳)+海藻サラダや野菜スープ》
<解決点>
- サンドイッチの具は、コロッケやカツの揚げ物系やマヨネーズをたっぷり使った具材は避けて、野菜がたっぷりはいった具材をチョイスする
- 具材の野菜やたんぱく質の量が少ない場合は、追加のおかずで少量プラスする
ポイント3:お弁当はご飯は少なめで、魚や野菜が多く入ったものを
【NGメニュー】
《丼ぶり》《揚げ物メインの弁当》《肉料理メインの弁当》
<問題点>
- 主食が中心で炭水化物過多、さらにご飯が進む濃い味付けで塩分過多
- 揚げ物メインはカロリーオーバーのなりがちなので注意
- 野菜が少なく、食物繊維が不足
【OKメニュー】
◎《品数の多いお弁当》
<解決点>
- ご飯の量は自分に合った適量を食べ、多い場合は残すことも必要
- 肉よりは魚がメインのおかずに
※肉のおかずは脂身の多い部位を使用することが多く、またご飯が進む濃い味付けになりやすいので注意
- 副菜の種類が多いものをチョイス
◎《具沢山丼ぶり+野菜料理(+たんぱく質が少ない場合は植物性のたんぱく質を追加)》
<解決点>
- 丼ぶりの具が野菜やたんぱく質食品が多いものをチョイス
- 野菜が少ない場合は、丼ぶりの調理と重ならないような野菜料理を追加する
- たんぱく質食品が少ない場合は植物性のたんぱく質をチョイス
アルコールは節度ある適度な量を
少量のアルコールは食欲を増進させ、ストレス解消にも役立ちますが、アルコールを飲むと気がゆるんで飲みすぎ食べすぎの原因にもなります。
アルコールはエネルギーが高くても栄養素はほとんど含まれず、主食の代わりにはなりません。
アルコールと上手に付き合うためには、飲酒量に気を付け、ゆっくりと飲んだり、薄めて飲んだり、ノンアルコールを選んだり、休肝日を作ることが大切です。
“休肝日を作れない場合は現在の飲酒量の半分にする”、”飲酒量を減らせない場合は、週1~2日の休肝日を作る”など、自分なりの飲酒ルールをつくりましょう。
また、おつまみの選び方や量にも注意が必要です。揚げ物や濃い味の料理よりは、シンプルな味付けのたんぱく質食品や野菜を多く使った料理がおすすめです。
※アルコールは禁酒が原則と考えますが、医師や管理栄養士に相談のうえ許可量を確認してみてください。
簡単・手軽に料理のコツ
今日何食べる?献立の立て方
1日の食事の中で毎食、エネルギー量(カロリー)が均一になるように、一回あたりの主食の量を決めます。主食はエネルギー源になるため抜くことはせず、血糖値が気になる場合は、ご飯に玄米や大麦などの雑穀を混ぜたり、ライ麦パンや胚芽パンなどにしたりして食物繊維の摂取を増やすと良いでしょう。
主食(ごはん、パン、麺類など)を中心に、たんぱく質源のおかずとなる主菜(肉類、魚介類、卵、大豆製品、乳製品など)は食材や調理方法が重なったり偏ったりしないようにします。副菜(野菜、海草、きのこ類など)はビタミン・ミネラル源で食物繊維が多い低エネルギー素材ですから、たっぷりと量がとるように1~2皿をそろえると良いでしょう。その際、生野菜よりは加熱するとたっぷりとれますし、具沢山の汁物にしてもよいでしょう。
味付けにはバリエーションをつけて単調にならないようにし、咀嚼回数が多くなる食材や切り方、メニュー選びをこころがけて、1日のエネルギー量はきっちり抑えつつ満足感を得られる工夫をしましょう。
料理の盛りつけ一つで食べ方がかわる
食事を食べるときには、大皿に盛りつけた料理から食べるよりもひとり分ずつ盛りつけた料理から食べたほうが、自分がどれくらいの量を食べたのか把握することができて、食べ過ぎ防止になります。
また、食べる量は変えずに小分けにして皿数だけを増やすと食卓がにぎやかに感じられ、満足感を得られやすい効果もあります。
さらに、少なく感じる主食の量もごはんのお茶碗をひと回り小さくするだけでも物足りなさを感じなくなります。
調理法でカロリーダウン
同じ食材でも、調理の仕方によってエネルギー量(カロリー)はずいぶん変わります。特に肉類は工夫
次第でカロリーダウンをすることが出来ます。
調理法に変化を付けて、美味しく楽しみながらエネルギー量を調整してみましょう。
エネルギー量が低めの食材選び
肉類
肉類は種類や部位の選び方でエネルギー量(カロリー)が抑えられます。
種類としては、鶏肉・豚肉・牛肉の順でエネルギー量(カロリー)が高くなっていきます。
部位としては、牛肉や豚肉は脂身が多いバラ肉やロース肉よりもヒレ肉やモモ肉の方が、鶏肉は皮の部位を取り除けば、エネルギー量(カロリー)を抑えることができます。
もちろん、肉の脂分を取り除いたり、脂を落としたりする調理法でもエネルギー量が抑えられますから工夫して食材選びをしてください。
ひき肉は脂身が多いので、牛・豚は赤身を使用しているもの、鶏は皮がないものやむね肉
を使用しているものを選んでください。
魚類
白身魚は低脂肪で低エネルギー(カロリー)なので、しっかり食べたい場合はおススメ食材です。青魚には必須脂肪酸のDHA・EPAが豊富にありますから、適量をとるように心がけましょう。
賢い調味料の使い方
砂糖
料理に砂糖やみりんを使いすぎるとエネルギー量(カロリー)がアップしてしまいます。しかし、甘味を極端に減らすと食事に満足感が得られず、食事が楽しめなくなり、間食で甘味を求めてしまう可能性もあります。
甘い味が習慣性になっている場合は少しずつ減らしていくように心がけ、さらに甘さだけに頼ることのないよう、素材の味を活かしたり、香辛料や香味野菜などで味にアクセントをつけたりするのも方法です。
他に、砂糖の甘さはそのままにカロリーゼロの甘味料や血糖値を上昇させない低糖質甘味料を活用するのも一つです。
塩分
塩分のとり過ぎは、合併症のリスクを高めるので注意が必要です。
塩分の使い方や調理の工夫などについては、当院のホームページに詳しく掲載しておりますのでご参考にしてください。
健康管理 健康寿命をのばすために「おいしく減塩1日マイナス2g」
油
食事からの油(脂質)は、多すぎても少なすぎて健康に影響を及ぼします。
油を利用した料理は1日2品程度にし、1食に重ねて食べないように注意しましょう。また、できる限り昼の時間帯に食べるようにするのがおすすめです。
料理に使用する油脂は、バターなどの飽和脂肪酸よりは、植物油(サラダ油やオリーブ油など)の不飽和脂肪酸を利用しましょう。油脂の量と質を意識してバランスよく取り入れていくことが大切です。
酢
お酢の健康効果は昔から知られていますが、血糖値の急上昇を抑える働きがあることも知られてきました。
米酢や黒酢、ワインビネガー、バルサミコ酢など、バリエーションあふれるお酢を普段の食
事の中に取り入れてみましょう。
まとめ – 糖尿病の方の食事で気をつけたいこと
野菜・きのこ・海藻類を味方に
ビタミン・ミネラル源で食物繊維の多い野菜やきのこ、海藻類を積極的に食べる事により、血糖値を上手にコントロールし、食事に満足感を与えてくれます。しかも、低カロリーなために食べ過ぎを気にする必要がありません。
高カロリーにならないように調理方法に気をつけて、食事に上手にとりいれていきましょう。ただ、糖質が多めの野菜の摂りすぎには注意しましょう。
主食・主菜・副菜・汁物で食事バランスを
何を食べようか、何を食べたら良いのかと悩んだ時は、主食・主菜・副菜・汁物に食材をあてはめて、献立をそろえる食べ方をしてみましょう。
さらに、献立全体の彩りはどうか、食材や味付け、調理方法に偏りはないかを確認することで、栄養のバランスがとれた食事内容になってきます。
自分のための食事
私たちは食べる事で生きています。自分の体になる食事を適当にすることなく、大切に摂取することを心がけましょう。欠食してまとめ食いをしたり、ストレスでドカ食いをすることのないよう、健康な体作りのためにも、楽しんで美味しく食べる事も大切です。
バリエーションある味付けを
濃い味付けの料理はご飯が進んでしまい、食べ過ぎにつながりますから注意が必要です。
薄味に慣れていくことも大切ですが、だしの旨味や香辛料、香味野菜、かんきつ類などを利用して味にバリエーションをもたせることを心がけましょう。
塩分の量を一律に制限してしまうと、食事が味気なく、食欲も落ちやすくなります。一食のメニューの中で、味の濃さにメリハリをつけることも一つの方法です。
満足感ある食事で食べ過ぎ防止
油脂類はエネルギー量(カロリー)が高いため減らしがちですが、食に満足感を与えてもくれます。今では様々な種類の油脂類がありますので、偏らずにいろいろなものを上手に料理に取り入れてみてはいかがでしょうか。
自分なりの工夫をしながら長続きできる食事を目指し、美味しく楽しんで食と向き合って頂けたらと思います。